近頃の事件から考える.2(ただし最初だけ)

俳優、高岡奏輔が暴力事件を起こした。

私、この俳優さんある作品まで良く知らなくて・・・。でもとても印象に残る俳優さんだったので少しショックだった。

この俳優さん、演技がとてもリアリティがあるので、引き込まれる。三好という男は本当にこんな感じなんだろうなぁと思った。

それから原作本を読むと、三好を高岡奏輔に想像して読んでいる自分がいる。

半蔵を高良健吾が演じていたけれど小説のなかでくっきりとその像を結ぶのは三好のほうだった。

その作品とは若松孝二監督の「千年の愉楽」だ。

この作品高良健吾が観たくてみたのだが、話自体がとてもよかった(あっ、18禁かもしれないので、その辺嫌な人は見ないでください)。

生と死、生と性、そういうものを描いていると思ってくれればいい。

原作の中上健次の小説の方も読むほど私には気に入ったのだ(あっ、中上健次の作品の方も描写がかなり18禁的な部分が含まれているのでこれも嫌な方は止めた方がいい)。

中上作品はその後他にも読むようになる。

この「千年の愉楽」を観たときにはすでに若松監督は亡くなっていたし、中上健次という人は、もっと昔に体を壊して亡くなっていたと知った。

中上健次の文体は、特に「千年の愉楽」の文体は説明が多く描写が細かく改行も点も少ない。また、人の会話の時に一行改行して書いていくやり方でもなく、会話と会話の間の言葉も一行に続けて入れるとおもえば、会話の後にいきなり途中から改行してあったり、普通に読みにくい。が、文章は素晴らしいと思う。矛盾しているが、読みにくいのにどんどん読める(癖があるので万人向きではないかもしれないが)。特に「千年の愉楽」は。

この作品の中で主役になる「中本の血縁」の男たちはどれも女が放っておかないような美しい男ばかりだ。そして揃いもそろって早死にする。

映画の中で冒頭で死ぬ彦之助を井浦新が熱演している。壮絶だった。

俳優陣が演技が上手い若手ばかりで作品が生き生きしたのだろう。

なんとも印象的で不思議な(映画にしても本にしても)作品だ。

そして、高岡奏輔にはもっと演技で頑張って欲しいので今回のことはとても残念だ。


扉を探して!「からだの声翻訳家®」鶴木マキ

「からだの声翻訳家®」鶴木マキです! こころとからだは繋がっていて、こころの不調がからだに出るという考え方を学びました。 こころは不思議なものです。誰もどこにこころがあるのかはっきりと説明はできないけれど、こころは確かにあると、人は思っています。 こころの不思議さを私なりに考えて見つめていきたいと思っています。

0コメント

  • 1000 / 1000